毎日暑い日が続く7月、8月。私達人間は家の中でクーラーをかけて涼むことができますが、
野外で飼われている犬はどうしているのでしょうか。
私は東南アジアに住んでいるのですが、いつも電車を乗り換える駅の前でぐったりと床に寝ている3匹の犬がいます。
「一日中お昼寝か~、東南アジアのワンちゃんは気楽でいいわね。」と気にしていなかったのですが、ある日ふと思ったのです。「もしかしてこの子たちは熱中症?!」
それからというもの、犬の熱中症のことが気になりだしました。
夏の暑い時期には、ましては年じゅう暑い国では、どのように犬の熱中症対策をすればよいのでしょうか。
犬が熱中症かも…犬の熱中症の症状について
1.まず犬の体温に気をつける
犬が熱中症かもしれないと思ったら、獣医のもとに連れていく前に犬の体温を測るのがよいでしょう。また体温のほか、その時の環境(野外で日向にいた、車の中にいた等)、犬の普段の活動の様子と熱中症かもしれないと感じた時の様子をチェックしておきましょう。
<犬の体温の測り方>
犬の体温は肛門から体温計を入れて直腸で計ります。
通常犬の体温は37.5℃~38℃で、38.5℃以上になると熱があるといえます。
体温が42℃になると非常に危険です。
- 肛門で計る用のデジタル体温計を用意する(できれば動物用)
- 体温計にワセリンや軟膏を塗る
- 犬の上半身を誰かに押さえてもらう
- しっぽを上げて肛門からそっと体温計を約2㎝入れる
- 体温計が鳴るまで待ち、そっと体温計を出す
- 獣医に報告できるように測った体温を記載しておきましょう
2.犬が熱中症にかかった初期状態には以下のような兆候が見られます。
- 呼吸が荒い
- 非常に喉が渇いている
- 何度も吐く
- 舌が光っていて歯茎の色が白っぽい
- 鼻面の周りの毛または首の毛をつまんだ後にもとの状態に戻らない
- よだれが濃厚(液状ではない)
- 心拍数が増加している
3.犬が熱中症にかかり症状が悪化した場合には以下のような兆候が見られます。
- 呼吸困難になっている
- 歯茎がまず真っ赤になり、そのあと青または紫になる
- 非常に弱り、疲れている
- 方向感覚がなくなっている
- 意識不明の状態になっている
犬の熱中症になった時の治療方法
1.犬を熱のもとから遠ざける
できれば涼しい部屋または冷房の効いた部屋に犬を入れる。そのような部屋がなければ、
風通しのよい日陰に連れていく。犬が走り回らないように、その場所で静かにさせておく。
2.冷たい水を飲ませる
少量の水を与えること。ポカリスウェット等の飲み物は与えない。犬が水を飲みたがらない
場合には、塩分の少ないチキンブイヨンまたはビーフブイヨンを室温にしたものを
与えても良い。犬が自分で飲めない場合には強制しない。
3.水をかけて体を冷やしてやる
ホースなどで犬に冷たい水をかけてやる。ただし、体温が急に下がると別な症状が発生する
場合があるので、少しずつ水をかけること。
また、水が氷のように冷たすぎると逆に体温の下がりが遅くなるので、気をつける。
4.獣医にすぐに診てもらう
以上の方法で症状が改善されたように見られても、熱中症の症状が出たらすぐに獣医に
連れていくこと。熱中症により体内の器官がダメージを受け、合併症を起こす場合が
あります。
5.犬の脚を家庭用アルコールで拭いてやる
犬は脚の先から熱を放出するので、アルコールを浸したコットン等で脚先を拭いてやると
体内にこもった熱を放出する役に立ちます。足先が外気にさらされていることを確認すること。ただし犬が脚を舐めると危険なので、少量にする。
6.犬を包まない
冷たいタオルや濡れタオルで犬を拭いてやるのはいいですが、タオルで体を包まないように
すること。包んでしまうと体温が放出されません。また、体温が犬の周りから放出されにくくなるので、おりなどの中に入れないこと。
犬が熱中症にならないための対策
1.どのような状態が犬が熱中症にかかる危険性をもっているかをよく理解すること
年老いた犬や過去に病気をした犬、痙攣をおこしたことのある犬は熱中症にかかる
可能性が高いので気をつけること。
鼻筋が短い犬(パグやブルドッグなど)は冷却能力が劣るため、熱中症にかかりやすい。
ブルドッグ、ボクサー、パグ、セントバーナード、シーズーは他の犬よりも熱に弱い
ので気温の高いには特に注意すること。
2.夏に犬を車内に放置しない
日中に車の中に犬を放置しておいてはいけません。たとえ窓を少し開けておいたとしても、
車内の温度はすぐに上昇してしまいます。
3.毛の長い犬や毛の多い犬は夏場は毛を短くしてやる
4.猛暑の日は家の中に入れる
特に猛暑に日は、日中の暑い時間帯は冷房の効いた部屋に入れてあげましょう。
そのような場所が確保できない場合には、外にしっかりと陰をつくってあげましょう。
5.猛暑の日に犬を野外に置いておく場合には、陰と水を準備する
氷を地面に敷いてやれば、犬がその上に寝転んで体を冷やすことができます。
6.近くに安全な川や池がある場合には、泳がせてやる
川などがなくてもホースなどで水をかけてやることで熱中症を避けられます。
まとめ
特に飼い犬は自分で住む場所を選べないので、飼い主がしっかりと涼しい環境を整えて
やらなければなりませんね。東南アジアのワンちゃんたちはほとんどが野良犬なので、
自分達で日陰や水を探して生き抜いているのでしょうね。