X

出生率ヨーロッパナンバー1のフランス。でもフランス人はなぜ結婚しないで子供を産むのか

フランスはヨーロッパの中でも最も出生率の高い国です。
EUROSTATが2016年3月に出した統計によると、2014年のフランスの出生率はヨーロッパ内でトップの2.01でした。


2014年のヨーロッパ諸国の出生率(Le Monde紙作成)

フランスに続く出生率の高い国はアイルランドで1.94。
ちなみに日本の出生率は2015年に1.45でした。

反対にヨーロッパで出生率が低い国は、ポルトガル(1.23)、スペイン(1.32)、ポーランド(1.32)、スロバキア(1.37)などが挙げられます。

半数以上の赤ちゃんが婚外出産のフランス

出生に関するヨーロッパのデータで興味深いのは、婚外出産のデータです。
フランスではなんと56.7%の赤ちゃんが婚外出産でした(2014年のEUROSTATの統計による)。
これは世界でもかなり高い数字で、アメリカでは41%、カナダでは27%、イスラエルではたった5%だそうです。


2014年のヨーロッパ諸国の婚外出産の割合(Le Monde紙作成)

フランス人はなぜ結婚しないで子供を産むのか

婚外出産というと、「フランスにはシングルマザーが多いのか」と思う方もいるかもしれませんが、そうではありません。
フランス人では結婚という形式にこだわらずにカップルで暮らし続ける人が多いので、結婚していないけれども一緒に暮らしている状態で、子供が生まれてくるのです。

日本では婚姻届を出していない男女間に生まれた子供は非摘出子とよばれ、ネガティブなイメージがありますが、フランスではそんなことはありません。また法律により、フランスでは両親が結婚していても、民事連帯契約(P.A.C.S.)の関係にあっても、また、事実婚の関係にあっても(父親が子供を認知すれば)、生まれた子供の親権は両方の親が行使するものと定められており、これは離婚をしてからも続きます。

フランスでは結婚していなくても長年一緒に暮らしているカップルは多いですし、結婚している、していないの関係なしに、安定しているカップルの関係は長年安定しています。
また95%の婚外子は、出産前または直後に父親によって認知されています。また、2006年以降はフランスでは出産届を出す際に婚外子も婚姻して生まれた子も区別することがなくなりました。

半数以上の子供が結婚していないカップルから生まれてくるのは、フランス人の多くが結婚という形式にこだわらずにパートナーと暮らしているからで、社会でもそれを認める風潮にあるためです。

結婚という形式に縛られたくないというカップルは特に若い人の間で増えてきていますが、それでもやはり子供が生まれるとみな結婚を考えるようになるようです。特に二人目が生まれると、結婚をして法的に家族になるカップルが多いのです。

ilostie: