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ノロウイルスの感染経路と感染予防、感染予防のための消毒剤と汚れ物の洗濯方法について

インフルエンザとともに、晩秋から春先にかけて、乳幼児や小学生、高齢者が
かかりやすいのがノロウイルス。ノロウイルスの主な症状は吐き気、嘔吐および下痢で、
発熱の頻度は低く、あまり高い熱にはならないことが一般的です。
幼児、小児では嘔吐が多く、成人では下痢が多いのが特徴で、
嘔吐・下痢は1日数回からひどい時には10回以上の時もあります。
子供が通っている保育園や幼稚園、小学校でノロウイルスの感染が発生した場合、
どのように子供や家族への感染予防をすればよいのでしょうか。

ノロウイルスの感染経路、感染方法について

ノロウイルスの感染経路としては、大きくみて2つ挙げられます。

経路① 食べ物による感染

ノロウイルスに汚染されている二枚貝を生で食べたり、不十分な加熱調理
によって食べた場合。またノロウイルスに汚染された生水を飲んだり、ウイルスが付着した食品から感染する場合など。

ちなみに、ノロウイルスは牡蠣などの二枚貝にもともと生息するウイルスではなく、
下水道などから海へ流れ出たウイルスが二枚貝に付着しているものになります。
冬場に生の状態で牡蠣や二枚貝を食べる時には注意が必要です。

経路② ノロウイルスに感染している調理従事者や調理器具などを介して汚染した
食品を食べる事によって感染する場合。

経路③ ノロウイルス感染者の便や嘔吐物の処理の際に、汚染された場所や物から手指を
介してウイルスが感染する場合、または空気中に漂ったウイルスが口に入ることで
感染する場合。

ノロウイルスの感染ルートで多いのは、「ヒトからヒト」と言われています。
ヒト同士の直接的、間接的な接触がもっとも感染しやすいので、幼稚園や学校で
発生した場合には子供達が感染しないように十分に注意する必要があります。人が大勢あつまる場所では感染した人の咳やくしゃみ、会話によって飛んだ唾やしぶきに含まれるウイルスを吸入することで直接感染します(飛沫感染)。また、皮膚や粘膜の直接的な接触でもうつることがあります。間接的な感染としては、スイッチやドアノブなどの接触を介して手にウイルスを付着させることでの感染があげられます。

 

ノロウイルスの感染予防

ノロウイルスは非常に小さいため、手のしわや爪の間などに入り込み、
経口感染を起こしやすいのが特徴なので、触るだけでも危険です。
また感染者の便や吐物の中には大量のウイルスが含まれており、嘔吐などの症状のでない
場合でも、感染者の便や吐物の中には大量にウイルスが含まれています。
そのため、子供達へのノロウイルスの感染予防には以下の対策が重要です。

食事前、トイレの後には石鹸でしっかりと手洗いをさせること。

また、家庭内や学校などの公共施設では、以下の感染防止対策が必要です。

①料理の前、トイレの後には必ず石鹸を使って手洗いをする。食品に直接触れる場合には、
使い捨ての手袋を着用する。

②ノロウイルスの汚染の危険がある食品はよく加熱すること(85~90℃で1分間以上)。

③調理器具などを毎日洗浄、消毒する。ノロウイルスを失活化するためには、
調理器具を洗浄したあとに85℃以上で1分間以上加熱をする、または次亜塩素酸ナトリウム
0.02%(200mg/1リットル)の希釈液を使用して消毒をします。

④吐物処理を迅速に確実に行うこと。吐物はできるだけ乾燥させないようにすばやく行うことが大切です。処理を行う前に窓を開けて換気をし、汚染した場所に他の人が立ち入らない
ようにします。床などについた吐物を除去した後に、吐物のあった場所から半径2m程度の
範囲を、次亜塩素酸ナトリウムの0.1%(1000mg/1リットル)の希釈液で消毒をします。
消毒後、10分後には水拭きをして下さい。吐物処理や消毒に使用した装備品等は処分または
洗浄・消毒をします。

⑤トイレの清掃と消毒。ノロウイルスに感染した人が使うトイレは毎日清掃、消毒をします。感染者の便には回復後でも通常で1週間から1か月間はウイルスが含まれていると
言われていますので、1か月間はトイレでの感染の危険があると言えます。
清掃した後は次亜塩素酸ナトリウムの0.02%(200mg/1リットル)の希釈液を使用して
消毒をします。

⑥生活環境の消毒。ドアノブや手すりなど、頻繁に人の手が触れる共用部分は次亜塩素酸ナトリウムの0.02%(200mg/1リットル)の希釈液を使用して消毒をします。
ただし次亜塩素酸ナトリウムでは金属部分は消毒できません。

⑦おもちゃの消毒。子供達が触るおもちゃも(金属以外)、次亜塩素酸ナトリウムの
0.02%(200mg/1リットル)の希釈液を使用して消毒をします。

次亜塩素酸ナトリウム ピューラックス

ノロウイルスの感染防止用消毒剤、汚れ物の洗濯方法

一般的な感染症対策として、消毒用エタノールや逆性石鹸(塩化ベンザル
コニウム)が用いられることがありますが、ノロウイルスを完全に失活化する方法としては、次亜塩素酸ナトリウム加熱による処理が推奨されています。

吐物を処理する場合にはマスク、手袋(丈夫なもの)をしっかりと着用し、雑巾やタオル
等で吐物をしっかりとふき取ります。眼鏡をしていない場合にはゴーグルなどで
目の防御をすることをお勧めします。

清浄に使用した雑巾やタオルはビニール袋に入れて密封し、破棄します。
ふき取る際にウイルスが飛沫する場合があるので、無防備に吐物に近づいてはいけません。
吐物をふき取った後は、上章に記載したように次亜塩素酸ナトリウムで消毒をします。

嘔吐物や便で汚れた衣類を洗濯する際には、洗濯機で他の衣類と一緒に洗うと、
洗濯槽内にノロウイルスが付着するだけでなく、他の衣類にも付着してしまいます。
汚れた衣類を洗う際にはまずマスクと手袋でしっかりと防御をした後、
バケツ等でまず衣類を水洗いをし、次に塩素系消毒剤(200 ppm以上)で衣類消毒することをお勧めします。
その後、洗濯機で他の衣類と分けて洗濯をするようにしましょう。

 

まとめ

以上、幼稚園や学校でノロウイルスが発生した場合に、その感染の流行を最小限に
食い止める方法をまとめてみました。ノロウイルスにはワクチンもなく、その感染を
防ぐことは容易ではありませんが、石鹸による手洗い、清浄、消毒によって
できるだけ感染を食い止めたいものです。

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