しとしと雨が降り、ジメジメ感が続く日本の梅雨。世界中いろいろな国で洗濯物を干してきましたが、湿度の高い日本の梅雨時期の部屋干しは本当に大変ですよね。
ちなみに、フランスのマンションでは基本的に部屋干ししかできません。バルコニーがあっても外から見えるところに洗濯物を干してはいけないのです。
部屋干しのプロである彼らは毎日どうやって部屋干しをしているのでしょうか?日本の梅雨時期の部屋干しに役に立つ生活の知恵はあるのでしょうか?生乾きの臭いを残さずに部屋干しをする際の日仏のコツをまとめてみました。
外で洗濯物を干せない場合に洗濯物を乾かす最も効果的な方法
フランスでは、マンションやアパートに住んでいる場合、バルコニーが付いていても基本的に外に洗濯物を干してはいけません(南の方では干す場合もありますが)。
そこで、部屋干しの達人のフランス人達がお勧めする方法は何なのか調べて見ると…?
乾燥機です(笑)。
「洗濯が終わったらそのまま乾燥機で乾かすのが最も効果的」と彼らはいいます。パリの狭いアパルトマンのお風呂場でも、洗濯機の上に乾燥機をのせて置くので大丈夫。
日本でも場所を取らない洗濯機と乾燥機が一緒になった「洗濯乾燥機」というのが売っているので、ご参考までに。
梅雨時期や悪天候のシーズンは、シーツやタオルなどの大きくてなかなか部屋干しができないものだけでも乾燥機で乾かすと、ずいぶん助かります。
さて、乾燥機がない場合にお勧めの方法は、
扇風機です。
洗濯物を早く乾かす条件のひとつは風があること。ですので、部屋干しをする場合には家じゅうで一番風通しのよい場所にドアを開けて干すのがポイントです。
また、湿度が最も少ない場所を選ぶのも重要ですので、換気扇等がついている場所で干すのが早く干すコツです。
でも、梅雨の時期は家じゅうどこも湿度が高くて風がない…。そんな場合に扇風機を使います。扇風機にタイマーをかけておけば、朝洗濯物を干してそのまま仕事に行っても時間がきたら止まるので大丈夫(または夜洗濯物を干してから寝てしまってもOK!)。
扇風機を使うにしても、洗濯物を室内でよく乾かすには別のコツがあります。
まずはすすぎをしっかりと行うこと。すすぎの回転数を変えられるならば、しっかりとすすぎをすることが早く乾くポイントになります。
そして、干し方にも注意が必要。なるべく洗濯物どうしの間隔をあけ、洗濯物が折り重ならないように干します。そのためには洗濯バサミとハンガーをうまく使い、ズボンやスカート、タオルなどは折ったり重ならないようになるべく全面を広げて干しましょう。
生乾きの臭いを残さずに洗濯物を乾かす方法
部屋干しをすると生乾きのいやな臭いがつく、というのは世界共通の悩み。いくら香水文化の発達したフランスの香りの強い洗剤や柔軟剤を使っても、この臭いは出てしまいます。
洗濯をする前に
部屋干しによる衣類の嫌なにおいの原因は、生乾きの状態のときに繁殖する「菌」です。
洗濯をするまでの間、汚れた衣類を直接洗濯機の中に入れておく人もいると思いますが、湿気がある密閉された洗濯機の中は、カビや雑菌の宝庫です。汚れた洗濯物はできるだけ早く洗うか、たまるまでしばらく置いておく場合には通気性のよいかごなどに入れておくのがよいでしょう。
すすぎの際に
お風呂の残り湯には雑菌も多いので、すすぎの際には残り湯を使わないことが臭いを防ぐコツ。
また、すすぎの際に洗濯機にお酢を大さじ2~3杯ほど加えると、洗濯物に含まれる雑菌の繁殖が抑えられ、梅雨時の部屋干しによる生乾きの臭いを防ぐことができます。お酢の匂いは洗濯物を干している間に消えるので大丈夫です。フランスでも、臭い消しのために洗濯機にホワイトビネガーを少し加えたりします。
定期的な洗濯槽のお掃除
洗濯槽が汚れていると衣類への雑菌の繁殖を引き起こします。部屋干しの際に衣類にいやな臭いが残らないためにも、定期的に洗濯槽を掃除しましょう。洗濯槽の掃除には洗濯槽クリーナーもありますが、お酢を使ってもできます。水20Lに対してお酢200ccを洗濯槽に入れて一晩そのまま置いておき、その後普通どおりに洗濯機を回せば、洗濯槽の掃除になります。
マンション暮らしだと一年中部屋干しをしなければならないフランスでは、乾燥機が必需品。その点、外干しができる日本では、梅雨時期を乗り越えれば洗濯物を乾かしやすい国なのかもしれません。
イタリアの田舎町のように、マンションの窓の間にひもを渡して洗濯物を干し、小道の上を洗濯物が旗のようにひらひらたなびいているのも、また風情があってよいものですが…。