チェロの上達を目指して「夏休み」「音楽合宿」「大人でも参加できる」「フランス」という条件をもとに探し出した音楽合宿。
内容がとてもよかったので二年間連続で参加しました。以下、詳しくご説明していきますね。
誰でも参加できる夏休みフランス音楽合宿「ミュージカルタ」の日程と参加できる楽器
毎年7月下旬~8月上旬に2回開催されます。
2017年は第一期が7月17日~26日、第二期が7月27日~8月5日(毎年変わるのでご注意ください)の10日間。
到着日と出発日はレッスンがないので、実質8日間の音楽合宿です。
学べる楽器は毎年増えており、2017年はバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、ギター、ハープ、パイプオルガン、ピアノ、歌、フルート、オーボエ、クラリネット、サックス、トランペット、トロンボーン、ホルン、作曲。
オプションとして室内楽、弦楽器奏者は弦楽オーケストラにも参加できます。
余談ですが、これらの楽器の中で注目したいのがパイプオルガン。
この短期音楽合宿が行われるアルザス地方はパイプオルガンのメッカで、この地方だけで約1200台のパイプオルガンを所有しています。
パイプオルガンのレッスンは、合宿が行われる学校(農業高等学校の敷地全体を借り切って合宿が行われます)のそばにある
教会内にあるパイプオルガンを使って行われるのです。
どうですか?教会の中でパイプオルガンを弾けるなんて、素敵じゃないですか?
また、2つの楽器を学びたいという場合には、2つ選ぶことも可能です。
現に私は去年、無謀にもピアノとチェロの2つコースを選びました。
けれども結論から言いますと、「2つの楽器を練習する時間がない」です。
チェロだけでも一日に3~4つのクラスがあるので(下に書きます)、プラス、ピアノの個人レッスン、
そして両方の楽器の練習時間を考えると、本当に時間が足りませんでした。
ですから、私のように欲張らずに、ひとつの楽器に絞ったほうがよいと思います。
チェロやコントラバス、ハープなど大きな楽器を持ってこられない場合には、レンタルもできます。
私はいつも現地でチェロを借りています。スーツケースに加えて大きなチェロを持ってTGV(フランスの新幹線)に乗るのは一苦労ですから…。でも、フランス国内から参加の人たちは、皆それぞれの楽器を持ってきています。
音楽合宿に向かう人々が乗ってくる列車の荷物置き場にはさまざまな楽器が置かれ、
合宿が始まる前から気分を盛り上げてくれます。
フランス音楽合宿のプログラム&レッスン内容
レッスンとしては、個人レッスンが毎日約50分間あり、その他オプションを取ればさらにレッスンが増えて忙しくなります。
例えば私は毎年、オプションで「室内楽」と、弦楽器奏者は自由参加可能な「弦楽オーケストラ」を取っているので、
1日のレッスンは
● 個人レッスン
● 室内楽のグループレッスン(2つグループに所属した場合には2レッスン)
● オーケストラのレッスン
● チェロの場合にはチェロアンサンブルというのも組まれるので、チェロアンサンブルレッスン
と、一日に合計4~5レッスン行われることになります。
レッスンの合間はもちろん練習!
生徒4人に対してレッスンルーム一部屋(お金をプラスして払えば、2人用のレッスンルームをもらうことも可能)
が割り当てられるので、生徒同士でぶつからないように上手に時間割を組み、練習をしなければなりません。
子供や大人のための音楽以外のプログラム
「一日中楽器ばかり弾いているの!?」と驚かれるかもしれませんが、子供達のためにはその他のアクティビティも用意してあります。
18歳以下の未成年は年齢別のグループに分けられ、スポーツやプール、ゲームなどの遊びの時間も組まれています。
子供達専属の若いグループリーダーがつき、レッスンの時間とその他のアクティビティの時間、食事、就寝などの時間を管理してくれます。音楽合宿といえども、子供達にとっては夏休みですからね。
小中学生たちは、レッスンや練習時間以外は楽しそうに走り回ったり、ゲームをしています。
すでに大人っぽいフランスのティーンエイジャー達は、自由時間は友達と集まって芝生の上でパソコンで映画を見たり、
音楽を聴いたり、歌を歌ったり(さすがに音楽合宿参加者なのでうまい)、カップルが誕生したりと、夏のバカンスを楽しんでいます。
大人達にも音楽以外のプログラムはあります。ヨガのレッスンや英会話レッスン、時間があるときにはプールも無料で使用できます。
もちろん、時間があるときには町(村といった方がいいかな…)に出て、カフェでリラックスすることも可能です。
音楽留学の間に町で開催されるルファック音楽祭
この音楽合宿の間にはルファックの町中で音楽祭が開催され、この合宿に参加している生徒は無料でコンサートが聴けます。
コンサートは毎晩のように開かれ、ピアノ、バイオリン、パイプオルガン&トランペット、室内楽、アコーデオン等、
実にバラエティに富んだコンサートが開催されます。
演奏者は外部から招待されたミュージシャンの場合もありますが、ミュージカルタの先生方が演奏されることも多いです。
自分が教えてもらっている先生の演奏を実際に聴けるので、とても勉強になります。
音楽合宿の最後は、生徒や町の人々の前で発表会
実質8日間みっちりレッスンを受けた後は、もちろん最後のコンサートがあります。
ピアノやパイプオルガンの生徒は町の教会内で、ステンドグラスをバックに演奏をします。
↑ 発表会前のためし弾き
その他の楽器の生徒達も、町中の市民ホールや図書館、老人ホームなどの一室を借り、
町の人々や他の生徒の前で合宿の成果を披露します。
オーケストラ、コーラス、アンサンブルなどのグループ演奏は、最後の夜に行われるファイナルコンサートで
大勢のお客さんの前で披露をします。
ファイナルコンサートの1、2日前は生徒達の練習時間も増え、夜9時頃まで練習の音が絶えません。
将来プロミュージシャンを目指す学生達もいるので、皆真剣です。
また合宿にはピアノ伴奏の専門の方もいらっしゃるので、発表会の際には伴奏をお願いすることができます。
このように、夏休みの音楽合宿には子供達が楽しめるアクティビティも盛り込まれています。
そして、合宿中に開かれるルファック音楽祭は、バラエティに富んでいて本当に楽しめます。
合宿は10日間ですが、非常に内容の濃いプログラムになっています。
それでは、音楽合宿にはどんな人達が参加しているのかご紹介しましょう。