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フランス雑学

フランスの新首相もマクロン大統領下のマクロンボーイズもヒゲ面が多数なのはなぜ

投稿日:

フランスの新大統領にエマニュエル・マクロン氏が選ばれ、首相はいったい誰になるの
かとフランス中が期待している中で選ばれたエドワール・フィリップ氏。
私は最初に彼の顔を見た時に思いました。「え?ヒゲメン?」

フランスではヒゲを生やしている男性が増えていることは数年前より感じていましたが、
今までにヒゲを生やした政治家は少なかったので(髭を生やした首相は
フランスでは 1947年のPaul Ramadier首相以来)、新首相がヒゲメンとのことで
驚くと共に、「やっぱりヒゲはフランスで人気なんだな~」と思ったのです。

日本の女性には相変わらず人気のないヒゲメン。フランスのヒゲ事情について書いて
みたいと思います。

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若いフランス人女性はヒゲメンが大好き。フランス人男性の半数はヒゲを生やしている

以前に別の記事にも書きましたが、フランスではヒゲを生やす男性がここ2,3年増えてきています。
男性のヒゲはおしゃれで魅力的?若いフランス人女性は知的で自由なヒゲ男が大好きらしい

2016年のIFOP(Institut francais d’opinion publique・世論調査とマーケティングの会社)
のアンケートによると、フランスの35歳以下の52%の男性がヒゲを生やしている
そうです。
特に25歳~34歳が最もヒゲの割合が高く55%。35~50歳でも50%。
60歳以上では少なく、24%の男性がヒゲを生やしているという結果でした。

これだけ若い男性がヒゲを生やすのは若い女性がヒゲ面を好むからという事も多いにあり、
25歳以下のフランスの女性の81%がヒゲ面をセクシーだといい、25~34歳でも63%が同意見。

このデータを裏付けるかのように、フランスのマクロン新大統領に任命された新大統領の
エドワール・フィリップ氏(46歳)もやはりヒゲメン。
そしてマクロン氏の大統領選をサポートしていた通称「マクロンボーイズ」達を見ても
ヒゲメンが多いのです。

フランスでは以前まで、ヒゲを生やす男性は”ボボ(bobos)”もしくは”(ヒップスター)
Hipstar”とみなされ、ネオブルジョアまたは反社会的な人々というややネガティブな印象を与えていました。

ボボ(bobo)とは?

「ボボ」とは「ブルジョワ-ボヘミアン(bourgeois-bohème)」の略語です。
2010年に社会学者のCamille Peugny氏がつけた定義によると、
「高等教育を卒業しており十分な収入があり、文化や芸術に興味を持ち左派に投票する人々」
とされています。

ボボのカテゴリーの人々の特徴としては:

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  • 都心または大都会に住んでいる
  • 一定の無秩序を好む洗練された順応主義者
  • 自由気ままを好む
  • 左派(より平等な社会を目指すための社会変革を支持する層」)またはエコロジストの価値観を持つ
  • ある一定の線までは異文化を受け入れる
  • オープンマインド、寛容、連帯に価値を置く
  • 高級品を拒否し、伝統的なブルジョワや拝金主義を否定

「パリなどの大都会に住み、高学歴で収入にも余裕がある。かといって高級車に載ったり
ブランド品を持ち歩くようなことはしない。エコロジー問題に関心を持っており、オーガニック食品を好んで食べる。」
このような都会の一定のカテゴリーの人々をフランス人はボボとよび、少なからずともこの言葉には軽蔑的なニュアンスが含まれていました。そしてボボのカテゴリーの人々には、ヒゲを生やしている男性が多かったのです。

現代のフランスのHipsterとは

現代のヒップスター(Hipster)達も皆ヒゲを生やしています。
ヒップスターは1940年代頃からいましたが、2010年ごろからフランスにも「現代のヒップスター」が新たに登場し始めました。
彼らは極端な個人主義者で、人々と同じブランドを嫌い、音楽の好みや服装やスタイル(濃いヒゲ、入れ墨など)などでも他人と異なる物を好んでいました。

しかし昨今のヒップスター達は流行に影響を及ぼすインフルエンサーとなり、本来であれば他人と同じ流行を嫌う傾向の彼らが、世間の流行づくりの最先端に立ってしまっているのです。

 

現代のフランスではすでに半数の男性がヒゲを生やしており、この「ボボ」「ヒップスター」というカテゴリーを越えて、ヒゲメンが定着してきています。
新首相になったフィリップ氏はその一例だと思います。というのも、ヒゲはフランスでは
「左派」または「エコロジスト」を指示する層だというイメージがあったのですが、
フィリップ首相は右派出身。右派の大統領候補を選出する前選挙でもアラン・ジュペ元首相をサポートしていました。

 

フランス人男性がヒゲをはやす理由

「ボボ」や「ヒップスター」というカテゴリーを越えてフランスに定着してきている
ヒゲメン。若い男性にヒゲメンが多いのは、若い女性にモテるという理由も大いに
あると思いますが、政治家にもヒゲメンが増えてきたのはなぜでしょうか。

これは若い政治家が「自分の年齢を上にみせ、知性を経験の豊富さを演出する」という
部分があると思います。
マクロン新大統領の大統領選挙をサポートしてきたマクロンボーイズ達は皆30代~40代。
ヒゲは若さをカムフラージュして貫禄をつけるための小道具でもあるのでしょう。

ちなみにマクロン大統領も2016年9月にヒゲメンに挑戦。フランス中の話題になりました。
すぐに剃ってしまいましたが…。

まとめ

フランスでは女性に大人気なヒゲメン。
日本ではどうなのでしょうか?最近のあるアンケートによると、日本の女性の約75%が
ヒゲメンは嫌いだそうです。特に日本の若い女性には、ヒゲは好きではないようです。

欧米ではヒゲのある男性はセクシーとみられているのに、この違いはどこからくる
のでしょう。
日本の男性が若い女性を好むように、日本の女性も若く見える(=ヒゲのない)男性の
方を好むということでしょうか。

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