知りたがり屋日記~Petite Curieuse

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フランスの子育て事情。教育費、国の子育て支援や手当はいくらなの?

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今年の夏も約1か月、フランスに滞在してきました。そして毎年のように思ったのは
「どうしてこんなに子供が多いの?」ということ。ちょうど学校のバカンスシーズンでもあったので、ビーチや避暑地は子供連れの家族でにぎわい、歩行者天国になっていた海辺の
商店街はまさにベビーカー渋滞。また、ビーチでくつろぐカップルを観察していると、
子供3人なんてあたりまえ。パラソルの影の下でまだ生まれたばかりの赤ちゃんを抱く
母親の5メートル先には、幼稚園ぐらいの娘2人と砂の城を作っている父親の姿が。

フランス人達と集まった食事の席では、テロの問題、失業率の問題、移民の問題など
ヨーロッパが抱える数々の深刻な問題で話題が絶えないのに、外を見ると子供連れの家族で
あふれているフランス。言ってることとやっていることが逆じゃないの??と思うのは
私だけでしょうか。
なぜフランス人は子供を産み続けるのでしょう。

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フランスの子育て:教育費はいくら?

現在のヨーロッパの状況を見ると、考えても考えても彼らが子供をたくさん作りたくなる理由がわからない。
国の手当や子育て支援が充実しているせい?と思い、まずはフランスの学校教育費を見てみました。

フランスの公立学校の教育費

幼稚園(3歳から3年間、PS/MS/GS。義務教育ではない):授業料 無料
小学校(6歳になる年から5年間、CP/CE1/CE2/CM1/CM2):授業料 無料
中学校:(4年間、6eme/5eme/4eme/3eme):授業料 無料
高校:(3年間、2nd/1ere/Terminal):授業料 無料

国立大学Licence(学士号):184€/年
国立大学Master(修士号):256€/年
国立大学Doctorat(博士号):391€/年
エンジニア大学Ecoles d’ingenieurs:610€/年

幼稚園~高校までの給食費

給食費は住んでいる都市と親の年収によって金額が約10段階に分かれており、家庭の
経済状況により1食2.80~6.35€と差があります。

フランスの私立の学校の教育費(カトリック系私立学校の例をあげる)

幼稚園、小学校:275€/年
中学校:504€/年
普通高校:673€/年
専門&普通高校(普通高校コース、自動車、ホテル業界、料理人、アパレル、営業系、秘書系など…)645~712€

商業大学Ecoles de commerceなど私立の大学:3000~10000€/年

ちなみに日本の公立小学校も授業料は無料ですが、その他の費用がかかります。

日本の公立小学校の教育費(年間)

授業料: 無料

修学旅行・遠足・見学費:6748円
学校納付金等:8259円
図書・学用品・実習材料費等:1万9484円
給食費:42035円
教科外活動費: 2544円
通学関係費(交通費、ランドセル、制服代など) :1万8100円
その他 :4093円

フランスでは制服がないため、毎日学校に着ていく私服に日本よりもお金がかかるかもしれません。(といっても、みんなジーンズにシャツなどのシンプルな服装ですが。)
教科書は日本と同じく無料で支給されます。ただし、フランスでは学年の終わりに返却して、下の学年の子が翌年古い教科書を使います。無くしたり破損した場合には、お金を支払わなければなりません。

またフランスでも課外活動として、例えば街の音楽学校(コンセルバトワール)に入れば、年間で110~650€(家庭の年収と子供のレベルにより異なる)かかるので、日本と同じぐらいでしょう。公立の学校の場合、高くつく修学旅行等はほとんどありませんが、
私立の学校の場合には日本同様に追加の出費があります。私の仏人の知人の子供は、高校の修学旅行でニューヨークに1週間旅行していました(多くの場合、語学研修という名目です)。

公立の場合、日本とフランスの教育費の大きな違いは、学校教育費というよりも学習塾にあるのではないでしょうか。日本の場合、せっかく安い公立の学校に通わせても、放課後に学習塾に通わせると月に約5万円はかかってしまいます。

フランスでは基本的に、学校外の学習塾には通わせません。学校の授業についていけない場合には学校内の補習授業や宿題補助を受けるか、それでも困難な場合には高校生ぐらいになると家庭教師にみてもらうことはあります。

 

フランスの子育て: 国の支援や手当は?

公立の学校の場合、学習塾の費用以外はフランスも日本も学費にあまり違いはないように思われます(大学は別ですが)。
それでは、フランスは子育てのための手当、支援が充実しているのでしょうか?

フランスの子育て手当

フランスの子育て手当は、基本的に家庭の年収に関係なく、子供が2人以上いる家庭に支給されます。

子供が2人:129.86€/月
子供が3人:296.24€/月
子供が4人:462.62€/月
それ以上:1人につき月166.38€

<高学年の子供への子育て追加手当>

また子供が14歳以上になると、一人あたり月64.93€の追加手当がもらえます。ただし子供が2人だけの場合には、2人ともが14歳以上にならないと、追加手当はもらえません。

例えば3人子供がいる場合(19歳、16歳、14歳):

基本子育て手当296.24€ +追加手当64.93€ x 3
=491.03€/月

子育て手当が国から支給されるのは、子供が20歳になるまでです。
ただし、以下の場合には20歳以上になっても補助が受けられます。

  • 子供が家に住んでいる場合
  • 子供が月に898.83€以上の給与をもらっていない場合
  • 子供が20歳になる月の前月に、最低3人の扶養する子供がいた場合

このような子育て手当、支援の仕組みを見ると、フランスではひとりっ子よりは2人(手当が支給されるのは基本的に子供が2人以上)、2人よりは3人(3人いれば一番上の子が14歳になれば追加手当が支給される)子供がいる方が得なようです。

 

フランスの子育て:その他の支援や税金の軽減

教科書代が無料なのは、フランスも日本も同じです(フランスの場合は学年末に教科書を返却しなければなりませんが)。ただし、日本にない手当として、「新学期手当」というものがあります。

これは新学期に子供が学用品を購入するための手当金で、家庭の年収により受け取ることができる場合とできない場合があります。

2017年-2018年の場合、家庭の年収が次の場合には、新学期手当が受け取れます。

子供一人の場合:年収24404€以下
子供二人の場合:年収30036€以下
子供三人の場合:年収35668€以下
それ以上の場合:子供一人につき5632€プラスした額以下

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新学期手当は子供の年齢により、一人当たり以下の金額が、新学期(9月)が始まる前の8月中旬ごろに各家庭に支払われます。

6~10歳:364.09€
11~14歳:384.17€
15~18歳:397.49€

毎年新学期にはノートやファイル、ペンなど学用品の購入に多くのお金がかかりますが、子供一人につきこれだけの手当がもらえればかなり助かりますよね。

フランスで子育てをする場合、最もお金がかかる時期は公立の幼稚園(3歳から、無料)に入れるまででしょう。例えば市が運営している保育園(Crèche municipal)に入園させると、1か月に約430€かかります。

ただし、保育園や認可保育士の家に子供を預けた場合には、保育費にかかる費用の50%が税金免除の対象になります。また家にベビーシッターを雇って子供を預かってもらう場合にも、税金の一部が免除されます。

また、子供が大きくなってからも税金の軽減はあります。中学生の子供の場合には61€、高校生の場合には153€、大学生の場合には183€税金が軽減されます。

子供が3歳になるまでは、保育費を節約するために仕事をしないで自分が子供のめんどうを
みる、という女性が多いかと思えばそうではなく、フランスでは子供が無料の幼稚園に
入れるようになるまでも、フランスの女性は保育士や保育園に預けて仕事を続けます。
確かに3歳までは収入の多くが保育費に消えてしまいますが、子供が幼稚園に入学すれば
それほど教育費にはお金がかからなくなるのですから。

仕事と子育てという点でいうと、バカンスの多いフランスの子供達を、学校のお休み中に
働く親たちはどのように面倒を見ているのかというのが常に疑問でした。

フランスは基本的に水曜日は学校がお休みです。両方の親がフルタイムで働く場合には、
水曜日は学童(Centre aéré)に通わせます。学童の費用は1日約15€。
7月~8月の2か月間たっぷりある夏休みも、この学童に通わせる他、自分達の両親に
子供を預けたり、サマーキャンプに入れたり、後は年間で5週間認められている休暇を
うまく使って、子供達と休暇を過ごします。

また、学校が始まる前(8時、8時半より以前)、終わった後4時半からお迎えまでの約2時間は、共働きの親はどのようにしているのかというと、これも学校内の学童に預けられます。
例えば朝7時半から8時半まで学童に預けた場合には1回1€、午後4時半から6時半まで
預けた場合には1回につき約1.5€かかります。

月火木金の朝晩に学童に子供を預けると、1日2.5€
学校がお休みの水曜日に学童に一日預けると、15€

つまり働いていて学校時間内に送り迎えができなくても、月70€で子供の面倒が見てもらえるのです。
もちろん学校内に預かってくれる学童がない場合には個人的にベビーシッターさんを
雇わなければならないでしょうし、お迎えが6時半に行けない場合には追加のシッターさんが必要になってきます。

2か月学校に行くと2週間休みがあるフランスの学校。しかも水曜日は学校がお休みで
夏休みはまるまる2か月間。

このように聞くと、日本の学校は朝晩の送り迎えをしなくてもよいし、
放課後もクラブ活動やらを遅くまでやってくれてしかも学期間の休みも少なく、祝日もフランスより多いので、子供を持つ親は働きやすいのではないかな、とも思うのですが、
実際に働いてみると、親が公にとれる休みが少なく、6時半のお迎えもなかなか難しいのが
日本社会の現実。というか、会社の問題なのでしょうか。

 

まとめ

フランスに子供が多い理由は国の支援や手当にあるのではと思い、いろいろと
調べてみました。確かに子育て手当、支援はかなり豊富で、収入が少ない家庭でも2、3人の
子供を育てられる気がします。

日本人が子供を作るのに躊躇する一つの理由に、教育費の高さがあります。
たしかに日本は学習塾と大学がやたら高い。フランスでは、高校までまじめに
学校で勉強をして高校卒業資格試験(バカロレア)を高校三年生の終わりに取れば、
内申書とバカロレアの結果だけで誰でも国立大学に入学できます。

ただしエリート大学に入りたい子供達は、バカロレアの後からが大変です。
高校卒業後、2年間みっちりと準備学校(Prépa)に通って数学、物理、歴史、語学を勉強し、選抜試験に合格すれば晴れて商業大学やグランゼコール等のエリート養成大学に入学。
そこからも、レポート、試験、企業研修、海外留学と苦労はつきません。

そう考えると、日本も高校卒業までは受験をなくし、高校卒業後に希望者は厳しい
選抜試験の準備コース(いわゆる予備校)に入るようにすれば、学習塾に通わせなくても
すむようになるのかもしれません。つまり、希望する子供達はみな通常の国立大学には
入学できるようにし(ただし学校の成績がよく、高校卒業試験に受かるのが条件)、希望者はその後予備校に入って受験準備をしたのちに、難関高等機関の試験を受けてエリート学校に入学させる。
そうすれば、大学受験を見越して小学校、はたまた幼稚園から塾に通わせる必要も
なくなり、子供にかかる教育費が大きく下げられるのではないでしょうか。

というように、フランス人が子供を理由を「子育て手当、援助が充実しているから」と
いう仮定で調べてきたのですが、どうもそれだけでは納得できず、とあるフランス人男性に聞いてみたのです。

「どうしていろいろな社会問題があるにも関わらず、フランス人は子供をたくさん作るの?」と。

すると、

「子供を作ることにあれこれ考えないからさ。子供を作るのは自然なことでしょう?」

と答えてくれました。

フランス人は日本人のように、「教育費がかかる」「仕事と子育てを両立できない」などと、子供を作る前にあれこれ考えないのだそうです(フランスの女性は仕事との両立に
ついてはさすがに少しは考えると思いますが。ただし、保育所やベビーシッター探しという点で)。

「子供をつくるのは自然なこと、みんななんとか育てているんだからできればなんとかなるさ」

という彼らの子作り・子育てに対する考えが出生率の増加につながってる、というのは
一理あるかもしれません。確かにベビーカーのオンパレードを日常的に目にし、
3人の子供を引き連れて買い物に繰り出す家族の姿をあちこちで目にすると、「じゃあ、私達も」と思うのでしょう。

子育て手当の金額に関しては、以下のサイトを参考にしました。
http://droit-finances.commentcamarche.net

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