アジア人から見るとそうでもないかもしれませんが、アメリカやオーストラリア、北欧の女性達から見るとフランス人女性はかなりスリムに見えるようです。ヨーロッパで「フランス人女性」という言葉一緒に最もよく検索されているキーワードを調べると、「太らない」という言葉が上位にでてくるとか。
このように他の国の女性達が「いつまでもスリムだ」とあこがれるフランス人女性達は、いったいどのような食生活を送っているのでしょうか。
フランス人と食事の関係について
多くのフランス人は、食事の時間は読書や音楽鑑賞といった時間と同じように楽しいものと考えており、平均で1日2時間22分を食事にかけています(注1)。年齢があがるにつれて楽しく感じる人の割合は高くなり、食事にかける時間も増えていきます。
それと反対に、若者は食事の時間を楽しいものと考える割合が低いようです。特に朝ごはんは食べないことが多く、年齢が高い人々よりも外食が多いです。また、女性と男性を比べると、女性の方がより多く食事を楽しい時間と考えています。
フランス人は食事をとても大切にしている国民で、彼らの重要な文化のひとつであると考えています。
終日オープンしているお店やファストフード店の出現でいつでも好きな時間に食事ができるようになった現代になっても、1日3食を決まった時間にとるフランス人の習慣は20年以上前から変わっていません。朝食の時間は仕事や学校の開始時間によって幅がありますが、昼食は13時、夕食は20時にとるフランス人が圧倒的に多く、1986年からその傾向は変わっていません。
この傾向はアメリカとは大きくことなります。下のグラフでも分かるように、アメリカ人は食事をとる時間に幅があります。またヨーロッパで行われた食事に関する調査によると、ヨーロッパ内でもフランス人がもっとも決まった時間に食事をする国民だそうです(注2)。
1986年と2010年のフランス人が食事をとる時間の比較(黒=2010年フランス、グレー=1986年フランス、赤=2010年アメリカ)
2010年のINSEEの統計より
フランスのお店にお昼頃に行くと(14時まで閉店)とドアに書かれて閉まってことも多く、「店員が一人ずつ順番に食事に行けばいいのに!」と始めは驚きましたが、決まった時間にみんなで食事をすることは彼らの大切な習慣なのですね。
食事も運動も程度に
このようにフランス人にとって大切な文化のひとつである食事ですが、フランス女性達は食べる量や質に非常に気をつかいます。3食を決まった時間に適量をバランスよく食べ、間食はなるべくしないようにします。
どうしてもお腹が空いた時は、リンゴやヨーグルトを食べて小腹を満たします。
また彼女達はダイエットのために週に何回もジムに行ってトレーニングをすることはありませんが、日常生活からなるべく歩いたり自転車に乗ったりと適度に動くことを心掛けています。食事も運動も適度にバランスよく、という考え方は、彼女達のメイクやスキンケアにに対する考え方にも通じているなあ、と感じました。
フランス女性がスキンケア、ヘアケア、メイクで気を付けていることは?魅力的な女性になる方法。
フランス女性の普段の食事メニュー
それでは、具体的に彼女達の食事メニューを見て見ましょう。
フランスに住むあるアメリカ人女性が、フランス人の女友達にアンケートをとった結果です。
キャティの食事
朝食:
アーモンドバターをぬったホームメードのそば粉のガレット
レーズン
オーガニック野菜ジュース
昼食:
魚のトマト、玉ねぎ、ジンジャー、コショウ煮込み
バスマチライス
フルーツサラダ
5時のおやつ(フランスではおやつは通常4時):
リンゴ、ハーブティー
夕食(20時):
ホームメイドの野菜スープ(ニンジン、ジャガイモ、ネギ、ズッキーニ)
アンディーヴサラダ(+アボカド半分、オリーブ、カボチャの種)
普段気を付けていること
夕食後にどうしても甘いものが食べたい時には、カカオ80%のダークチョコレートを数かけら食べる
普段はチーズは食べないが、食べる場合は山羊のチーズを食べる
一日に1.5リットルのハーブティと水を飲んでいる
運動は週に一回ピラティスを行い、週末には少なくとも月に2回野外で運動をする(ハイキング、サイクリング、スキー等)
仕事の関係で外食も多いので、家で食事をする際には多くの野菜を食べるように心掛けている
デルフィーヌの食事
朝食:
ミックスシリアル(アーモンド、クルミ、ゴージベリー、洋ナシ)にアーモンドミルクがけハーブティ
昼食:
チキンとポロネギ
ライス
チーズ
パン
夕食:
パスタ(インゲン、玉ねぎ、コショウ)
ビーツのニンジンサラダ、ヴィネグレットソース和え
普段気を付けていること
日中は水とハーブティを飲む
週末にはグラス2杯まで赤ワインを飲む
砂糖や乳製品は控えるようにしている
レンズ豆、ひよこ豆、キノアやオメガ3脂肪酸(悪玉コレステロールを分解し、血液を浄化する作用がある)を多く食品を多くとるようにしている
ディナーパーティなどで食べすぎた翌日はブイヨンスープをたくさん飲む
平日はピラティスと下半身のエクセサイズを行う
カトリーヌの食事
朝食:
ブリオッシュ、バター、ハチミツ
コーヒー
昼食:
ステーキとグリーンピース
マロンクリームをスプーン人さじ
コーヒー
おやつ:
チョコレートブリオッシュ
夕食:
ハムやソーセージの盛り合わせ
ケッパー
ブルーチーズ
パン
フルーツ
普段気を付けていること
満足するまで食べるが、食べ過ぎないこと
デザートはチーズか甘いものどちらか。両方は食べない。
必ず炭水化物をとる
朝食はほどほどに、昼食はしっかり食べ、夕食は軽めに
昼食に食べたものによってはおやつは食べないようにする
毎日スプーン一杯のハチミツとワイン一杯、パンを食べる
週末の朝食にはクロワッサンかパンオショコラを食べるのが楽しみ
昼食には野菜をたくさん食べるようにする
コリーヌの食事
朝食:
バターを塗ったパン
コーヒー
昼食:
サーモン
サラダ
手作りのズッキーニのテリーヌ
フルーツサラダ
夕食:
リゾットをたくさん
野菜スープ
普段気を付けていること
間食はしない
毎日エクセサイズをする(その日の気分によって内容は変わる)
可能なら短い時間昼寝をする
毎日同じ時間に就寝、起床する
家族のために食事をするのが大切(サーモミックスキッチンマシンで簡単でヘルシーな食事をつくるのが大好き)
ソフィーの食事
朝食:
ジャムまたは地元のハチミツを塗った穀物入りバゲット
コーヒー
フルーツ
日によってはプレーンヨーグルト
昼食:
鶏の胸肉
ライス
ローストベジタブル
アンディーブサラダ
ギリシャヨーグルト
おやつ:
フルーツ2つ(例えばバナナとリンゴ)またはフルーツ1つとナッツ
夕食:
野菜スープたっぷり
ハム
パン
普段気を付けていること
ワインは週末に1~2杯まで
平日は散歩をするなどの軽い運動を毎日する。週末はテニスや水泳など
甘いものは1週間に数回だけ
週に1回はサラダやスープなどの形で野菜のみを食べ、肉、魚、卵を食べない日とする
食事の時の飲み物は水
肉を食べない日には3リットルまで水を飲み、体内をきれいにする
3か月に一回マッサージまたはフェイシャルトリートメントに行き、家族から離れて自分だけの時間をつくる
いかがですか?皆さんかなり食事の質に意識をしていますね。昼食をメインに、夕食は軽めにしている女性が多いようです。
このように1日3回、決まった時間にとるバランスのよい食事と定期的な運動のおかげで、フランス女性はスリムな体系をキープしているのですね。
(注1)2012年のINSEEの統計による
(注2)2004年のEurostatの調査による