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フランス女性

フランス女性の働き方。フランスの女性は仕事と子育てをどうやって両立しているの?

投稿日:2017-03-21 更新日:

大学時代からのフランス人の女友達を見ても、彼女達はずっと仕事を続けています。
出産、子育てで数年育児休暇を取ったとしても、その後は皆仕事に復帰しました。

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フランスでは、25歳から49歳までのフランス人女性の83.8%が何らかの仕事に就いている、または就活中であるということです(注1)。

つまり子育て世代の女性のほとんどが働いていることになります。それでいて、出生率はヨーロッパ一の1.96という高い数字が出ています(注2)。
フランスは、女性が小さい子供を育てながら仕事を続けるのがあたりまえの社会なのですね。

そんなフランス女性達をみていると、

「小さな子の子育てもしながら仕事も続けるなんて、フランス人女性はスーパーウーマンなのかしら」
「きっとやさしい旦那さんが家事や育児をたくさん手伝ってくれるんでしょうね」

と思うのではないでしょうか。

仕事も育児も平気でこなすフランス人女性はスーパーウーマンなのか?


では実際に、彼女達がどのように仕事と育児を両立しているのか知るために、ある一日を見て見ましょう。
これは2歳半の子供を持つフランス人女性の1日です。

6時起床:自分と子供の身支度、朝食。
7時15分:家を出て、ベビーシッターの家に子供を預けた後、仕事に向かう。
18時15分:子供をピックアップ。
18時30分:帰宅。子供と15分程度遊んだあと、お風呂に入れ、食事をさせる。
19時45分:夫帰宅。
20時:子供を寝かせる。
それから食事の支度をして夫と一緒に食べ、話をしたりテレビを見る。明日の準備をして、食器洗い機をセットしたら就寝。

また、別のシングルマザー(娘は4歳半)のフランス女性の一日です。

5時45分:起床、子供を起こす前に自分の身支度を済ませる。
6時40分:娘を起こす。朝ごはん、着替えをさせる。
7時30分:家を出て、幼稚園が開くまで預かってくれる託児所へ娘を連れて行く(水曜日は幼稚園がお休みなので、学童へ預ける)。それから45km離れた仕事場へ車で急ぐ。
8時30分:仕事開始。
17時:仕事を終え、娘のお迎えに向かう。
18時:娘をピックアップ。そのあと一緒に食事の買い物等。
18時半:帰宅。すぐに娘をお風呂に入れ、食事の準備をしている間は娘の遊び時間。ふたりで食事。
20時15分:娘をベッドに連れていき、本を読んであげる。
20時半:娘就寝。
その後、食事の後片づけをして翌日の準備をしたら、ベッドに入り、テレビをつけたまま9時半に寝てしまうこともしばしば…。

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このように、朝から夜まで忙しい彼女達の毎日は、日本人のワーキングマザーと変わりありません。
「フランスでは男性が育児や家事をたくさん手伝ってくれる」というイメージが強いですが、すべての家庭でそうだとも限りません。旦那さんの勤務地が自宅から近い場合には、朝は学校まで連れて行ってくれる場合もありますが、まだ赤ちゃんのうちは女性が朝晩の送り迎えを担当する場合もかなりあります。フランスでも家事や育児はどうしても女性中心になってしまうようです。

このように、仕事と育児で余裕のない毎日にストレスや罪悪感をおぼえる女性は多く、「どうやって両立するか」という悩みは、フランスの女性誌によく登場するテーマのひとつになっています。

フランス女性はどうやって仕事と育児を両立しているのか

では、彼女達はどうやってこれを乗り切っているのでしょうか。

よくあるのは、子供を持った女性はフルタイム勤務から時短労働に切り替えること。特に子供が幼稚園にあがると(3才から)、水曜日は学校がお休みだったり午前中終わりなので、会社に水曜日をお休みにしてもらうこともよくあります。また、二人や三人の子供のお迎えをうまくコーディネートするために、シッターさんを二人雇ったり、少しでも家事が楽になるように家事サポート会社にヘルパーさんを派遣してもらったり。もちろん、自分の母親や兄弟が近くに住んでいる場合には、家族にも最大限に頼ります。

とにかく、彼女達は両立に必至です。お給料の半分がベビーシッター代に消えることもしばしば(例えば、自宅でシッターさんを雇った場合のシッターさんのお給料は平均1500€(約17万円)/月)。幸いなことに、ベビーシッターや家事ヘルパーを雇用した場合には、その金額の最大50%までが税金から控除されるので、税金対策になりますが。

自身が自立しているためにがんばり続けるフランス女性達

自分の老後の年金の心配もありますし、カップルや夫婦だっていつ別れるか分からないこの世の中。経済的にも精神的にも常に自立していたフランス人女性達は、このように苦労しながらも働き続けます。

また仕事と育児を両立し続けるのは、経済的な不安のためだけでなく、彼女達の性格や社会性も影響していると思います。

「子供を産むか、産まないか」「結婚するか、しないか」すべての選択が自由な時代だからこそ、自分で選択をした道には不満を言わずにがんばるフランス女性達。

仕事と子育ての両立が当たり前の社会にいるため、仕事も子育ても家事も完璧にこなすのが当然だと思ってしまうフランス女性達。

小さなころから、自分一人で何でもできるように教育されてきたため、男性に助けを求めるのが苦手ですべて一人でこなそうとしてしまうフランス女性達。

フランスは年間で5週間の有給休暇が取得できるなど日本よりは働きやすい環境ではありますが、両立にかかる女性の負担は日本もフランスも大きいのです。

それでもフランス女性が働き続けるのは、他人に依存せずに自立した自由な女性でい続けるためではないでしょうか。

(注1)2014年のINSEE/フランス国立統計経済研究所の統計より
(注2)2015年のINSEEの統計、2014年は2.0だった

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