ビジネスの場でお客様や上司に対してつかう敬語って、本当に難しいですよね。
営業などに行くと「丁寧に話さなきゃ」と意気込んでしまい、過剰な敬語になってしまう場合もたびたび…。
そこで、みんながよく使っているのだけれど実は間違っている敬語の使い方をあげてみました。
「さ入れ言葉」私がやらさせていただきます、は正しい?
「本日はわたくし佐藤が司会をやらさせていただきます。」
これは普段よく聞きますが、実は間違いです。正しくは、
「本日はわたくし佐藤が司会をやらせていただきます」または「やらしていただきます」で、
「さ」は余分です。
謙譲語(自分がへりくだることで、相手を立てる敬語表現)を使おうとする際に、「やらせる」などの使役動詞に
「さ」を入れてしまうことを、「さ入れ言葉」と言います。
「私からもひとこと言わさせていただきます。」→正しくは「言わせていただきます」「言わしていただきます」
「僭越ながら私が読まさせていただきます。」→正しくは「読ませていただきます」「読ましていただきます」
余分な「さ」をいれないように気をつけましょう。
「拝見いたします」「~とおっしゃられました」は二重敬語
「それではちょっと拝見いたします。」は、よく使いますよね。
でも実はこれは敬語を重ねる二重表現と言われており、正しくはないのだそうです。
(過剰敬語、または不必要敬語として、間違いとはしないという意見もありますが)
「拝見」がすでに謙譲語なので、さらに「いたします」という謙譲語を重ねる必要はありません。正しくは「それではちょっと拝見します」です。
また、「~とお客様がおっしゃられました」というのも二重表現です。
正しくは
「~とお客様がおっしゃいました」
または
「~とお客様が言われました」
になります。
なんだか丁寧さが物足りない気がしますよね…。でも実は過剰だったのです。
「~させていただきます」の乱用
「本日は定休日のため、休ませていただきます。」
「新商品についてご紹介させていただきます。」
「ご質問の件についてご回答させていただきます。」
「ご注文の商品は明日発送させていいただきます。」
「~させていただきます」というのは丁寧な言い方だと思って、会話やメールの文章でよく使っていますが、実は相手に違和感を与えているのです。
「本日は定休日のため、休ませていただきます。」→「お休みします」で十分。
「新商品についてご紹介させていただきます。」→「ご紹介いたします」(自分が下の立場にへりくだる状況ではなく、謙譲語にする必要はない)
「ご質問の件についてご回答させていいただきます。」→「回答いたします」
「ご注文の商品は明日発送させていいただきます。」→「発送いたします」
「させていただきます」は、つけるだけで謙譲語になる感じがするので乱用してしまいがちですが、「です、ます」調にすれば丁寧な言い方になるのでつける必要はないのです。
まとめ
丁寧にしているつもりで知らず知らずに使っていた不適切な敬語。
余分な敬語入れすぎて、会話やメールの大切な部分が分かりにくくなってしまわないように気を付けなければなりませんね。