世界で活躍できるように、子供に国際的な名前をつけたいと思っているご両親も
多いのではないでしょうか。スポーツやアートなどの分野で活躍する日本人の名前
がちょっと変わっていたりすると、「名前は子供の将来に大きく影響するのでは」と
思ってしまいます。確かに毎日自分が呼ばれる名前ですから、少なからずその子の性格や将来に影響するのでしょう。
そこで、「フランスが大好き!将来子供にフランスに関係する仕事についてほしい!」「自分がフランスに住みたいから子供にフランス語の名前をつけたい!」と思っているパパやママに、今フランスで人気の子供の名前ランキングをご紹介したいと思います。
2016年フランスで人気だった女の子の名前ランキング
1.Louise ルイーズ:パリで大人気のルイーズちゃん。10年間1位だったエマちゃんを抜いて第1位の名前に。ゲルマン諸語(ドイツ語など)で「戦いで著名な」という意味
2. Emma エマ:2005年から10年間連続でトップ1の座を維持してきたエマちゃん。ゲルマン諸語で「普遍的な」という意味
3. Chloé クロエ:パリで人気の名前。ギリシャ語で「若い芽」という意味
4. Lola ロラ:21世紀に入ってからつけられた女の子の名前で5番目に最も多いロラちゃん。ラテン語で「痛み」という意味
5. Inès イネス:ギリシャ語で「清らかな、純粋な」という意味。アクセントがつかなければアラビア語で「好感のもてる、幸せな」という意味
6. Manon マノン:ヘブライ語で「育てる者」という意味
7. Jade ジャード:緑色の翡翠(ヒスイ)の石に由来
8. Alice アリス:ゲルマン諸語で「高貴な家系」という意味
9. Lina リナ:ギリシャ語で「使者」、サンスクリット語で「柔らかい、柔軟な」という意味。また中国語でLi Naとすると「貴重な美」「ジャスミンの花」という意味。
10. Léa レア:ヘブライ語に由来し、「ガゼル、野生の疲れた牛」という意味。
2016年フランスで人気だった男の子の名前ランキング
女の子に比べて男の子にフランス風の名前をつけるのは難しいですが、つければ
将来のアーチストになるかも!?
1. Léo レオ:ラテン語で「ライオン」の意味
2. Gabriel ガブリエル:ヘブライ語で「神の力」という意味
3. Adam アダム:ヘブライ語で「赤い地からできた」という意味。またバビロンやフェニキア語由来では「人間、人類」という意味
4. Timéo ティメオ:ギリシャ語で「神をたたえる」という意味。「エ」と「オ」という母音がつながっている所が人気の秘密
5. Raphaël ラファエル:聖書が由来で「神が治した」という意味
6.Lucas ルカ:ラテン語で「光」という意味。語尾のSは発音しません
7. Louis ルイ:2010年からフランス全体およびパリでいつもトップ10に入っているルイくん。聖ルイは18世紀のフランスの王様で、ゲルマン諸語で”hlod(著名な)”と”wig(軍人)”という意味
8.Arthur アルチュール:ケルト語で「熊」の意味
9. Nathan ナタン:ヘブライ語で「彼は与えた」という意味
10. Hugo ユーゴ:ゲルマン諸語で「エスプリ、知性」という意味。フランス語でHの音は発音しないので、「ユーゴ」という発音になります
フランス語で発音しにくい日本語の名前
フランス人の名前をつけるまではいかなくとも、世界の人が呼びやすい名前をつけたいと
思うかもしれません。
でもどんな名前が呼びやすくて、どんな名前が呼びにくいのでしょうか。そんな時のために、フランス人にとって発音が難しい日本語の名前をご紹介します。
“H”がつく名前
フランス語では”H”は発音しないため、「ヒロシ、ヒカル、ヒナ」など、Hがつく名前だと、「イロシ、イカル、イナ」と発音されてしまいます。
昔、ロンドンでフランス人の女の子が「私怒ってるの」というので、どうしたんだろうと
思っていたら、怒っている”I’m angry.”ではなくただお腹がすいていただけだった
“I’m hungry.”という思い出があります。
“R”がつく名前
フランス語の”R”の発音は、「ガラガラ~」とうがいをする際に出すような音で「ル」と
発音するため、「ラリルレロ」をヘボン式ローマ字で「ra,ri,ru,re,ro」と書くと
実際の名前とは全く違う発音になってしまいます。
例えばハルちゃん。
Haruと書くと、「アル(ルはグに近いのどを鳴らすような音」と読まれてしまい、
まるでまだ話すことのできない赤ちゃんの発する音「アグアグアグ….」になってしまうのです。
ラリルレロが付く名前をフランス人に日本語に近い名前で呼んでもらうには
「la, li, lu, le, lo」と表記しなければなりません。(例:Kaolu, lika)
まとめ
フランスでは、男女とも音がやわらかい「L」のつく名前がここ数年人気のようですね。
また、「クロエ」「レア」「レオ」のように、母音が2つ連続する名前も、その響きの柔らかさで人気です。
基本的にヨーロッパでは女の子の名前は「A」で終わることが多く、男の子は「O」で終わることが多いですが例外もあります。
例えばフランス語で「ルカ(Lucas)」や「トマ(Thomas)」「サシャ(Sacha)」は「ア」で発音が終わりますが、男の子の名前です(フランス語では語末の子音は発音しません)。
“Mario(マリオ)””Mateo(マテオ)””Fernando(フェルナンド)”など、イタリアやスペインでも男性の名前は”O”で終わることが多いですから、日本で古くからある「まりこ」「ひろこ」などの「~子」という名前は、ヨーロッパでは男性だと思われてしまうかもしれません。
「海外で覚えてもらえない」「うまく読んでもらえない」という理由で後から子供が自分でニックネームをつけなくてもいいように、初めから世界中の人に呼んでもらいやすい名前をつけるのも、生まれてくる子供への素敵なプレゼントになるでしょう。